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また、J1中断突入後も、ナビスコカップの予選が集中的に行われた事や、親善試合で韓国の強豪・浦項スティーラーズとの対戦もあった事により、「J以外のイベント」で、愉しい時間を有意義に過ごせた感も受けている。
だが、日本のサッカーファンである以上、基本は「J」である。そして、地元クラブのサポーターである以上は、応援するチームのJリーグでの躍進こそが、サポーターとしての本懐である。
そして、その「基本」に立ち返らせてくれる、大事な大事な一戦を、ダービーマッチとして迎える事になった。
事前に行われた、山寺での記者会見にて、その呼称が統一された「みちのくダービー」。JFL時代のNEC山形、そしてブランメル仙台の頃より、常にお互いが上を目指して凌ぎを削ってきた。そして、お互いの長いJ2の経験を礎に、とうとうJ1の舞台で、みちのくダービーが実現する。
いつか、この日が来るだろうとは思っていた。この日を待ち侘びたのは、両陣営のサポーターも含め、数えきれない関係者の数々。また、現役時代を山形で過ごした事もある、手倉森監督が仙台を率い、そしてその恩師でもある小林伸二氏が、現在の山形の監督であるなど、因縁めいた関係も決して浅くない。また、選手に至っては、永井や菅井の存在、そして以前にはMF財前やDF小原の移籍先としてなど、挙げたらキリがない。
この一戦に先立ち、色々な "事象" が、仙台の周辺を華やかにしている。
まず、前代未聞の山寺での記者会見。ダービーマッチとしてはかなり久しぶりとなる、地元でのパブリック・ビューイングの開催(勾当台公園)。当日の試合の実況中継では、なんと山形・宮城総じてラジオ6局のネット中継が実現。当然、Yes氏・・もとい、佐々木聡氏の実況中継も含んでいる。
だが、一番驚いた要素は、事前にほとんど情報の漏れが無かった、FWの選手補強である。中断期間中に、指揮官が韓国に渡っていた事や、FWレイナルド選手の急遽退団などがあったため、韓国人の選手補強は以前から噂はされていたが、中断期間開けのこの時期になって、突然、その嬉しいニュースが飛び込んできた。
韓国・Kリーグの太田(テジョン)・シチズンより、FW・朴成鎬(パク・ソンホ)選手を、期限付き移籍で獲得。嘘か誠か、身長は191cm、体重は85kg という、仙台としてはかなり久しぶりな大型のフィールドプレーヤーである。ところが、その特長はなんと、スピードや足下のプレーだという。本人曰く、「韓国では、プレースタイルがファンニステルローイ似と言われていた」との話もあり、そして指揮官曰く、「中原の高さと中島のスピードを兼ね備えた人材」という表現も飛び出している。
今節、彼の山形戦の出場のため、リーグへの選手登録も間に合う見込み。いきなりの先発起用は無いだろうが、後半の勝負どころでの投入は観られるかもしれない。
そして、気になるその試合の展開予想に、話を移そう。
結論から言って、やはり1点を争う、拮抗した展開になると観ている。今季、既にMCLで控え中心の選手同士がユアスタで対戦済とは言え、やはりトップリーグとは別物。お互いの中断期間前までの戦い方を研究し、その対策に躍起となっている事だろう。
仙台側の戦い方の話をする前に、少しだけ、山形側の戦い方の話をしておきたい。
山形は、現在、J1リーグ戦13位。仙台のすぐ上に位置しているが、リーグ戦では思うように得点を奪えず、逆に3失点を4試合も喫するなど、決して本意とするような状況ではなさそうである。また、この苦境を受け、シーズン途中からシステムを4-3-3に切り替え、FW田代を軸に置く戦法を採って、少しは戦い方が向上したかに見えた、ナビスコカップの予選最終節。
なんと、ジュビロ磐田に5失点(前半だけで4失点)の大敗を喫し、予選突破が水泡に帰したのである。この試合、山形は引き分け以上で予選突破が見えており、山形の堅守性を考えれば、クラブ初の同杯予選突破は充分あると見込んでいただけに、チーム自身や関係者のショックはさぞかし大きかったに違いない。
最悪の展開のまま、中断期間に突入した山形。その「負の遺産」を払拭するべく、この試合に賭ける想いは、並々ならぬものがあると予想している。
翻って、我らが仙台。こちらは山形とは対照的に、ナビスコカップ予選の最終節であるアウェイ大宮戦を4-0と快勝。しかも、予選では4試合連続の無失点というおまけも付き、堅守性では山形に引けを取らない。また、韓国の強豪・浦項戦でも、親善試合とは言え、集中された守備と、スピーディーな攻撃性に、J再開後の躍進を夢見ているサポーターは、筆者を含めて決して少なくないに違いない。
そんな状況下に加え、期待の大型韓国人FWの補強にまで成功している。この状況で、山形に負ける事を想像する方が難しいというものだ。
もちろん、油断は禁物。浦項戦で負傷したMF太田や、今週の練習で脇腹を痛めた関口の出場見送りが濃厚で、仙台は右サイドハーフの主・副の大駒を欠いて臨む一戦となりそうである。
だが、W杯帰りの梁はもちろん、ナビスコカップ予選で豪快なミドルを叩き込み、今節の先発が期待されるMF高橋義希など、プレーに期待できる逸材はまだまだ充分。調子を上げてきた中島や、2列目とFWの両方をこなすフェルナンジーニョもおり、決して遜色ない攻撃布陣を携えて、天童に乗り込む事ができそうである。
それでも、予想される試合の展開は、お互いがスキを見せずに睨み合い、ほんの僅かなスペースを突き合う、緊迫した内容を予想。まるで、ボクシングでガードを堅めながらジャブを応酬する試合展開の如く、である。
そんな試合展開が予想される中で、仙台としては、浦項戦での戦い方を参考にしたい。あの試合では、得点こそ奪えなかったものの、前半の積極的なボールアプローチとパス廻しの速さは、トップリーグの上位チームを相手にする事を想定し、グアムキャンプで「ヤバいくらい(関口選手:談)」のフィジカル強化を敢行。その成果が早速、浦項戦で現れた格好となった。
ただ、どんなにプレースピードを上げても、正確さを失っては意味が無い。「素早く、正確に」どれだけパスを廻し、そして相手を崩して、攻めきる事ができるのか。山形側も、仙台がどう戦ってくるかは、事前に充分スカウティング済みのはず。それを念頭に置いた上で、仙台としては、山形に「判っていても止められない」プレーをぶつける必要がある。
この試合は、単にリーグ中断開けの初戦という意味に留まらず、今季、仙台がどれだけここから躍進できるかを観計るバロメータとなる。そしてその舞台が、なんとダービーマッチとして開催され、嫌が応にも気分と雰囲気は最高潮に達する中での試合となる。
サポーター、そして選手ともに、アツくならない訳にはいかない。
が、少なくとも選手には、そんな試合の中でも、冷静さが求められる。雰囲気に飲み込まれたら普段のプレーに支障が出るだろうし、そんな事はサポーターも期待していない。このマッチアップを楽しみにしつつも、選手には、90分間、常なる冷静さを求めたい。
第13節の「リーグ再開」に先立ち、今週の水曜日に、第11節の一部の延期試合が開催された(ACL対象チームによるもの)。この試合でも、お互いが様子見な展開とした結果、4試合中3試合で、1点以下のロースコアな試合展開となった。(唯一、広島がセレッソ大阪に5失点で大敗を喫したのには、驚きを隠せなかったが)
おそらく、このみちのくダービーも、他聞に漏れず、試合序盤は様子見な展開になるものと考えられる。
が、もしかしたら、そんな空気を読まずに、前半キックオフ直後から、スピード溢れる試合展開を仕掛け、自分たちの試合ペースに持ち込もうという意図が観られるかもしれない。
いずれにせよ、最後は勝利で締めくくらなければならない。そのために、持てる力は全て投入し、全力で90分間を戦い抜いて欲しいものだ。
試合当日、現地に集結する仙台サポーターは、その全てが、記念すべきJ1の舞台でのダービーマッチ初勝利の目撃者となる事に期待する。その目標へ向け、現地参戦組も、勾当台公園でのPV組も、その他スカパー映像の観戦組も、みな心を一つにしよう。
勝利のために。
新たな歴史が、ここから始まるのだ。
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