訪問者数:

ページビュー:

山形3-1仙台 完全に予想外な大敗。2試合連続となる、梁の同点FK弾で折り返した前半も虚しく、ライバルに一歩も二歩も先を行かれる内容に、ほぞをかんで見守った後半。掛け間違ったボタンはどこか。そして、修繕するべきはどこか。

トラックバック(0)
■サッカーブログランキングに参加しています、ご協力をお願いします■
にほんブログ村 サッカーブログ ベガルタ仙台へ
にほんブログ村

戦前、散々と方々のメディアに捲し立てられた「みちのくダービー」は、なんと仙台の3失点大敗という結果で幕切れとなった。

いったい誰が、こんな結果を予想したであろうか。

落ち着いて試合を振り返るのに、どうしても中1日欲しかった。レポートの掲載が遅れた事に対し、謝意を現したい。

試合直前までの雷雨の影響もあり、試合の開催自体が危ぶまれたが、キックオフの頃には、奥羽山脈に虹がかかるなど、この試合を楽しみにしていたサポーターには、願ってもない天候の回復ぶりとなった。

あの虹の向こうに、今日の勝利が待っているのだろうか-。

だが、振り返ってみれば、Over the rainbow(虹の向こうに)は、モンテディオ山形の選手入場時のテーマソングだった。まるで、この日の山形の勝利を予告していたかのような、大自然の演出。おそらく、山形側のレポートを書く多くの人が、この情景を記している事だろう。

試合は、いきなり動く。前半3分、山形MF秋葉の豪快なミドルが仙台ゴールに突き刺さり、この日の先制弾を許す。だが、直後の13分に訪れた、梁の同点FK弾も含め、決して悪い内容では無かった前半。一進一退の攻防が続いた。

しかし、後半に入り、局面は一気に山形側に傾く。

後半13分。この日、関口に代わって右SH起用だった田村の裏を、山形のMF宮沢(この日はFW登録)に突かれてしまい、易々と仙台は右サイド(山形側から見て左サイド)を突破される。慌てて戻る仙台守備陣よりも速く、宮沢に合わせたのは、FW田代だった。戻りながらの守備を強いられた仙台の焦りを他所に、宮沢からの正確なクロスを、トップスピードのままダイレクトにシュート。その軌道は、正確に仙台ゴールの左隅、GK林の延ばした手すらも届かない、まさに「ここしかない」コースを一気に貫いた。2-1、山形追加点。

慌てた仙台指揮官は、事態の打開を図るべく、失点直後に、新戦力のFW朴成鎬を投入。一見、追い付くための積極的な采配のようにも思えるが、考えてみれば、今週に練習合流したばかりで、連携の熟成などは皆無な状態での投入だった。もちろん、指揮官本人も、ある程度の博打感はあっての事だろう。彼の個人技に期待したい部分もあったとは思う。

しかし、中島を下げた事で、前線での守備に綻びが生まれてしまう。2失点目を受けてやるべきだった事は、裏を突かれた右サイドの修復であり、焦って攻撃力の補填を行う事ではなかった。

そして、2失点目という痛い勉強代を、何の糧にもしないまま、仙台はズルズルと山形のペースに引き摺り込まれる事になる。

全体的に、攻守のテンポの良かった山形は、仙台側の焦りを逆手にとり、一層攻撃の手綱を強く牽いた、後半22分。山形MF増田の放ったシュートをGK林が辛くも弾くが、勢い弱く、詰めてきたFW田代に押し込まれる。3-1、山形ダメ押し点。時間帯を考えると、仙台は勝利どころか、同点に追い付く事すらままならない苦境に追い込まれた。

更に慌てた仙台指揮官は、この後、MF田村をFW中原に、そしてMF富田をMF高橋に替えて事態の打開を図るも、時すでに遅し。その後の仙台の攻勢は全て山形に跳ね返され、そのまま試合は終了。戦前に「虹の微笑み」を受けた山形が、満員のスタジアムの後押しを受け、J1初のみちのくダービーの歴史の初戦を、見事な勝利で飾った。

そもそもこの試合、みちのくダービーという大事な闘いである以前に、J1再開の初戦という意味合いも持っていたはず。普通であれば、どのチームも、この2ヶ月間の中断の間に、相手がどのような改善を図って来たのか様子を見るべく、ある程度「堅い戦い方」を選択する事が多い。

その点で、仙台の指揮官は、素人目に見ても、大きな間違いを2つ侵したと思う。

一つは、関口のセカンドチョイスが、サイドバックの田村だったという事。結果論としても、後半に仙台の右サイドを破られての2失点だっただけに、このポジションを狙われた事は明白である。太田も負傷で起用できなかったとは言え、あまりにも大きなハンデを背負っての対戦だった。

そしてもう一つは、2失点目の直後、慌てて新加入のFW朴成鎬を投入してしまった事にある。

一見、事態の打開を図るための積極的采配のように思われるが、これまでの指揮官の新戦力の起用法は、決していきなり長い時間を起用するものではなく、徐々に出場時間を延ばして、チームの戦術に浸透させるやり方だったはず。ところがこの日は、いきなり後半15分から投入し、攻撃性を強めた一方で、右サイドの綻びに対し、何の修復も試みないまま、同点に追い付く事ばかりに執着してしまった。

もちろん、朴成鎬は、まだまだチーム戦術も連携もままならない状態。これまで信頼し、先発FWとして起用し続けてきた中島をアッサリと下げ、前線での守備が疎かになってしまった。

もちろん、2失点目の直後、残り30分で勝負を仕掛けた、と好意的に見ても構わないだろう。だが、それで2点目を獲れるどころか、逆に3失点目を喰らった事が、その選択の末路なのである。

この試合、2失点目を喫した時点でやるべき事は、3失点目を喰らわないように守備を固めつつ、同点に追い付き、良くて2-2で終わる結果を求めるべきだったと考える。

今までの指揮官なら、そういう選択をすると思われた。もちろん、一見、消極的な采配と思われ、「チキンハート」と言われても仕方ない結果の求め方である。

だが、この試合はみちのくダービーという大きな一戦であると同時に、J1再開後の初戦という、大事な闘いでもあったはず。試合の終わらせ方として、2-2の引き分けで終わり、勝ち点1を分け合うのと、絵に描いたような焦りから3失点目を喫し、完敗という醜態を晒す事になるのとでは、雲泥の差があったはずだ。

もっとも、朴成鎬が得点を獲れていれば、それはそれでまた違った結果になっていただろう。逆転劇もあったかもしれない。だが、逆転までを考えてしまった結果、守備面への手当を疎かにしてしまい、無用な3点目を献上してしまった事は事実であり、誰しもが否定する事はできない。

試合の内容からしてみれば、山形FW・田代へのケアが完全に疎かになっていた、と言われても仕方がないだろう。

何が一番悔しいかと言うと、山形は今季ここまで、3得点の試合どころか、2得点の試合すら僅か2試合に留まり、ほとんどが1得点以下で推移していたのである。そんな相手に、いきなり3失点を喰らってしまった事が、一番腹立しいのである。こんな事なら、1-1のままで終わってくれたほうが、まだ気持ち的にも救われていた。

こんな試合展開の差になってしまったのも、牽いては、チームを率いる監督の経験の差なのだろう。知将・小林伸二監督はJ1経験も長く、J1の何たるかを心得ている。対して仙台は、J1監督経験初年度の手倉森監督だ。チームが苦しい時の立て直しも、試合中の采配も、自ずとその差が出てくる。

FW田代を軸に、シンプルに堅守速攻を仕掛ける山形の戦術。対して仙台は、両翼の片方を、なんとサイドバックで補うという奇策。途中交代にしても、田代のケアを完全に疎かにし、得点ばかりに目を奪われ、攻守のバランスを欠いての3失点目を喫するなど、やる事なす事が全て裏目に出る有様。

FW田代に2失点目を喫した時点で、既に勝負は決まっていたのかもしれない。

こうして、J1史上初のみちのくダービーの幕は下ろされる事になった。次回は9月、宮城スタジアムでの対戦となる。今のままなら、山形は更に躍進を遂げ、仙台は降格圏に両足を突っ込んでいる状況も考えられる。

この大敗を受け、今後の仙台の行方が不安視される。思い起こされるのは、清水戦での1-5大敗。あのあと、チームがナビスコカップ予選突破という結果を出し、立て直しが図られるまで、実に2ヶ月の時間を要してしまった。もちろん中断期間も含めての事であるが。

だが今回は、もう中断期間は開けであり、立て直しを図っている余裕はない。グアムキャンプの再敢行、新戦力の補強など、やれる事はやってきているはず。山形戦のこの大敗を如何に引き摺る事なく「今できる事を、貫けるかどうか」に、今後の盛り返しが掛かっている。

そして、こんな状況下においても、小さな光明もある。

山形戦の翌日。MCL東北学院大学戦で、MF三沢が、後半だけで3得点のハットトリックを達成した。90分を通し、実にスピード感溢れる動きを披露。速い、キレある、シュートが枠に行くの3拍子揃っており、今すぐにでもトップで起用したいくらいに成長してきている。

ベガルタ加入後、ここまでトップの試合出場は皆無だが、そろそろ彼の出番が合っても良い頃だ。少なくとも、例え練習試合とは言え、ハットトリックの活躍を見過ごしてはいけない。ここまで結果を出してトップに起用されないのでは、嫌気を指して移籍を志願される事にも繋がりかねない。

次回、もし関口に何かあった際のセカンドチョイスには、是非とも三沢を推したい。

地道に育ててきた「新戦力」が、身内に居るではないか。今季使わないで、いつ使うのだ!?




■サッカーブログランキングに参加しています、ご協力をお願いします■
にほんブログ村 サッカーブログ ベガルタ仙台へ
にほんブログ村