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残り7試合。積める最大の勝ち点は21。一方、現在16位・降格圏を彷徨う神戸の勝ち点は23。
その差、8。
仙台が3連敗し、かつ、神戸が3連勝というシチュエーションにでも成らない限り、ひっくり返る事のない差である。かつ、神戸の今後の対戦相手をみれば、とても3連勝どころか、最終戦までに2勝を挙げられるかどうか判らない状況。
まだまだ「狸の皮算用」を脱しない話ではある。が、以前として、仙台有利な状況に変化はない、大事なのは、「ここからの京都戦・神戸戦」の2連戦を、きっちりと勝ちきり、降格圏から「数字上でも大きく差を付けて」、早期に残留当確ランプを点灯させられるかどうか、である。
ここで、しっかりと連勝を収められれば、来季へ向けた期待も大きくなるが、逆に2戦を勝利なしとしてしまえば、一気に不安が再燃する。せっかく、あの14戦未勝利のトンネルを脱し、今、この状況下に居られるのだ。この雰囲気は、絶対に壊したくない。
さて、今節に相まみえる京都。現在17位だが、最下位の湘南とは勝ち点16で並んでおり、実質「同列の最下位」である。
だが、最近の京都の試合内容をみると、決して攻撃力が劣っている訳では無い様子だ。事実、前節のホーム・G大阪戦でも、シュート数は、京都の19本に対し、G大阪は12本。試合のダイジェスト映像をみても、攻撃力があるはずのガンバを押して攻め立てており、いつ先制点が京都に転がり込んでもおかしくないような雰囲気は充分だった。
その京都が、G大阪に敗戦した理由は、まさしく「一瞬のスキ」。特に、ガンバの先制点となった、MF8・佐々木勇人(前・山形)の得点シーンは秀逸。日本代表・遠藤の絶妙なスルーパスが、息のピッタリ合った佐々木の走り出しにドンピシャリで合い、そのまま佐々木がしっかりとゴールイン。京都としては、一瞬「何が起きたのだ?」と目を疑いたくなるような、電光石火の失点劇だったに違いない。
それでも京都は、前線に、鹿島から移籍したベテランFW柳沢や、仙台キラー・FWディエゴら、アタッカー陣が健在。中盤のドゥトラこそ、今節は累積で出場停止となるが(因みに、このドゥトラ選手は、横浜FMに以前在籍したドゥトラ選手とは別人である)、それほど大きな戦力ダウンとは成らないだろう。この選手の欠場については、あまり好材料視はするべきでないと見ている。
この試合で注目すべきポイントを挙げるとすれば、やはり、「仙台キラーのFWディエゴと対峙する、元京都・ボランチ斉藤大介の奮闘」ではないだろうか。
過去、何度も仙台を「喰い物」にしてきたディエゴと、仙台移籍後、初めての古巣対決となる斉藤とのマッチアップは、各メディアでも、エピソードとして取り上げるべき材料の一つであろうと考える。
なお、今季は既に京都とアウェイで一度対戦し、京都2-1仙台 で敗戦を喫しているが、この時は斉藤選手は出場しておらず、悔しい想いをしたに違いない。その分、今節は、やっと古巣との対戦が実現し、2008年途中の移籍以来、京都サポーターとの対面を果たす事に。先発で斉藤の名前がコールされたとき、果たして京都サポーターの反応は、暖かい拍手か。それとも、愛情の籠もった大ブーイングか。
いずれにせよ、「真面目」で通っている斉藤選手の事だ。前回ホームのFC東京戦の時のFW赤嶺のように、試合前のピッチ内アップの際にでも、京都サポーターに挨拶に行く可能性はある。もし本当に行くような事があれば、京都サポーターは、新天地で活躍する斉藤選手を、是非、暖かい拍手で迎えてやって欲しい。(ブーイングも愛情表現の一つではあると思うが)
だが、いざ試合が始まれば、あくまでも敵対する同士。仙台としては、やはり「如何にディエゴや柳沢に仕事をさせないか」がポイントか。特にディエゴは、過去に在籍したチームでの「仙台戦」で、通算9試合6ゴールという、驚異的な結果を残している。柏時代、東京V時代、そして現在の京都。今季・第3節のアウェイ戦でも、京都の決勝弾はディエゴに決められており、今節も当然ながら、狙ってくる事だろう。
ただ、そんなディエゴが在籍していても、京都は未だ、降格圏に沈んでいる。おそらくは、どのチームも「ディエゴに仕事をさせない」というプランを抱えて臨んで来たはずで、仙台としても、そこは外せない戦術ではないか。
ここで気を付けておきたいのは、ディエゴは「フィニッシャー」としてだけでなく、「パサー」としても秀逸な選手であるという事。ディエゴという選手は、その風貌から想像する印象とは裏腹に、コンビを組む選手と合わせるのが非常に上手な選手であり、柏時代はフランサ(既に退団)、そして東京V時代は、あのフッキとコンビを組み、ゴールを量産していた。単に、コンビの相手が同じブラジル人だからという事ではなく、ディエゴから繰り出されるパスが、常に相手ゴールを脅かすフィニッシュシーンを演出して来た印象が強い。
今節は、決してディエゴだけでなく、その周辺の選手との連携を寸断する事を、常に考えながらプレーする必要があると思われる。そこで求められるものは、前線からのプレッシングか。京都にペースを握らせないためには、まず、運動量(特に関口)で仙台寄りの試合作りを行い、相手が崩れ出してきたところで、赤嶺やフェルナンジーニョによる、鋭い飛び出しの仕掛けをみたいところである。
ところで京都と言えば、2001年の仙台J1初昇格時から、何度も因縁めいた対峙を繰り広げてきた間柄。2001年に仙台がJ1昇格を決めた試合が、アウェイ京都戦である事に加え、2007年の直接対決にて、3位・入れ替え戦の切符を巡って闘い、後半ロスタイムに、元仙台のMF石井俊也にゴールを割られて入れ替え戦の切符を逃している。また、当時のこの試合で、石井とダブルボランチを組んでいたのが、現仙台の斉藤選手である事もまた、京都との深い因縁の材料でもある。
かのように、因縁めいた間柄ではあるものの、過去の京都との対戦を振り返ってみると、年度単位で「飛々」である事に気が付く。
それもそのはず。京都は、1999年のJリーグ2部制化以降、何度もJ1とJ2の間を行き来している、いわゆる「エレベーターチーム」なのだ。しかも過去のデータでは、同じリーグに3年連続で居た事はなく、前回の2008年からのJ1参戦から今年までの「3年連続」が、同一リーグ在籍年数で一番長いというから驚きである。数えてみたところ、実に、1999年以降で、6回も昇格・降格を繰り返している。もし今季も降格となれば、7回目という数字だ。まさしく「エレベーターの如く」である。
そんなチームを相手に、J1に定着したい仙台としては、絶対に勝利を譲る訳には行かない。
仙台としては、例え相手がどれだけ因縁めいたチームであったとしても、最優先は「今季のJ1残留」である事に変わりはない。斉藤選手としても、是非とも勝利を収め、新天地で頑張っている姿を、京都サポーターや京都のクラブ関係者にもアピールしたい事だろう。
それで、例え古巣が、J2再降格の憂き目にあったとしても。1人のプロサッカー選手として、現在在籍するチームのために、全力で戦う姿勢は存分に見せてくれるものと、信じて疑わない。
ところで、少しだけ心配な「台風14号」であるが、仙台地方への再接近は、31日の日曜日となる模様。試合当日の30日土曜日の時点では、天候の崩れはあるものの、想定の範囲内と思われる。試合の開催に影響は無いだろう。(但し、京都から駆けつけるサポーターの移動の足を直撃する事にはなると思われるため、来仙される京都サポーター諸氏は、充分に注意されたし)
泣いても笑っても、今年は残り7試合。できるだけ早くJ1残留を決めて、安心して来季へ目を向けたい。
2002年・2003年の時のように、シーズン終了ぎりぎりまで、固唾を飲んでJ1残留の推移を見守るような、心臓に宜しくない展開は、二度と味わいたくないものである。
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