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仙台1-1川崎 皆が願い、そして叶った、渡辺広大の後半ロスタイム・劇的同点弾。渡辺選手は自身のバースデーゴールとも成り、貴重な勝ち点1を獲得し、他会場の結果に関わらずの自力残留を確定させた。今節求めた最低限の結果ではあるが、今季を締めくくるには最高の1点。来季もJ1、この事実は大きい。

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シュート数、仙台の23本 vs 川崎の19本。壮絶な撃ち合いの中、前半25分に決められたジュニーニョの1点を、仙台は、後半ロスタイム5分の声を聞く時間帯まで、必死に追い掛け続けていた。

この日迎えた最終戦でも、仙台は、試合序盤から積極的にゴールを狙い続ける展開をみせ、あわや前半で2点・3点といった加点があってもおかしくないくらい、チャンスメークまでは素晴らしいものを感じた。

ただ、この「チャンスメークまでは素晴らしい」展開と併せて、「決定機をモノにできない」展開もまた、現状の仙台らしい流れ。波状攻撃を仕掛け、いつゴールが産まれてもおかしくない展開なのに、何故かゴールを割れない。完全に崩しきった展開を何度も拝見出来ているのに、撃ったシュートのコースの不運もあり、前半は無得点で終了する。

むしろ、前半の15分~20分くらいから、川崎にようやくエンジンが掛かり始めた矢先の25分。一度は仙台のゴールラインを割ったかと思われた、川崎DF19・森勇介の持つボールは、実はラインを割っておらず、一瞬「ラインを割ったか」と思い込んだ仙台ディフェンス陣は、森の突破からのクロス供給に対応しきれなかった。そこへ走り込んできたジュニーニョに、豪快にゴール左隅へ蹴り込まれ、仙台は川崎に先制を許す。

ただ、前回8月の時の対戦のように、そこから怯む仙台では既に無かった。1点を追い掛ける展開。それは、決して想定していなかったものでは無かった。むしろ、先制点を奪って川崎の「逆襲のスイッチ」が入ってしまうよりも、ある意味、まだ「やりやすい感じ」さえ漂っていた試合内容だった。

後半に入っても、一進一退の流れは変わらなかった。ただ、前半のうちに川崎は負傷の影響などで既に選手を2名も交代しており、後半の時間が経過するにつれ、少しずつではあるが、川崎の選手の足が止まりだしたようにも思えてきた。

ただこちらも、朴柱成の守備面の危なっかしさに業を煮やした指揮官が、後半14分で田村に変えるなど、予想外な理由による交代のシーンも。試合を観ている限りでは、朴柱成がどこか痛めた訳では無さそうだったので、この交代采配には少々驚きもあった。

が、この日の仙台は、そのくらいで勢いを失うようなモチベーションの低さは持ち合わせていなかった。なんとしてでも勝ち点を奪って、自力での残留決定を-。その一念が、選手の足を動かした。

後半に入っても、そして試合が終盤に近づいてきても、仙台の攻撃の勢いは衰えない。これがあの、8月に2点差を引っ繰り返された仙台なのか??とてもそうは思えないほど、ゴールへの期待感を発し続けていた。だが、肝心のゴールだけが足りない、そんな雰囲気で、スタジアムは充満していた。

また、ここ3試合連続で続く、試合終了間際の失点へのケアもしっかりと成されていた。1点のビハインドゆえ、全般的に前掛かりになって攻めているのは仙台。当然、後ろのスペースは常に空き気味になる。そこをカウンターで使われないように、ディフェンスの配置やボールを失った時の戻りの速さなど、用意周到な仙台の布陣は、川崎の思うような反撃を決して許さなかった。

そして、「人事」を尽くしきって、念願の得点が訪れるのを辛抱強く待っていた仙台に、待望の「歓喜の刻」が訪れる。

後半ロスタイム5分の掲示から2分を経過したころ、中央エリア内でボールを受け取った田村が、思い切ってシュートを選択する。これは川崎のディフェンスにブロックされるも、その溢れ球がゴールラインを割り、仙台のCKに。

そして、そのCKを蹴る梁が狙っていたのは、それまで何度となく狙っていた「ファーに居る中原」ではなく、「ニアに居る渡辺広大の頭」だった。

低い弾道で、ニアサイドを突くボール。味方も敵も、そのニアで競り合ったものの、ボールはその選手らを越えて、少し後方に居た、渡辺広大の頭をピタリと捉えた。渡辺がシュートを撃った瞬間も、川崎のディフェンスは2枚付いていたが、ボールは見事に渡辺の頭へピンポイントでヒット。決して高い位置での打点とは言えなかったため、ボールはいったん、弧を描くように上空を目指した。

いつもなら、こういうボールの軌道は、ゴール枠を逸れてしまい、ゴールキックで試合再開となるものだが、、、、この日だけは違った。

なんと、渡辺広大の撃ったボールは、緩やかで綺麗な湾曲を描き、そのまま川崎ゴールの左隅へ。これには川崎GK・相澤も反応できず。

仙台、後半45分+2分。1-1 同点-。

待ち侘びた得点劇。この瞬間を、まるで息を止めて待っていたかのような、大観衆の歓喜。ホームのサポーターは、辺り誰構わず喜び合い、ハイタッチを繰り返した。

残り時間を考えれば、仙台は自力残留を決定付ける、貴重な勝ち点1を奪う権利を掴み取った。この「権利」は、絶対に手放さない。ゴールを喜びつつも、過去3戦から学び取った「最後まで諦めない、隙を見せない」姿勢を出し、ボールをセンターサークルへ。川崎側に傷んで倒れている選手が居たため、すぐの再開とは成らなかったが、それは逆に「最後まで逆転の可能性を信じて、守って攻めるぞ」と、お互い確認するだけの時間は充分にあっただろう。ここまでの仙台の勢い、そして経験を観れば、決して、逆転劇の可能性は小さくなかったようにも思う。

結果的には、そのまま試合は 1-1 で終了し、逆転勝利とまでは成らなかったものの、今節に限って言えば、勝ち点1の獲得は、仙台の勝利に等しい。残留を決定付けるには充分な勝ち点1。それをようやく達成した喜びと安堵感が、試合終了のホイッスルを聞いた瞬間、全身を襲ってきた。

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この試合へ向けては、実は、季節外れの強風の影響により東日本全域で交通機関が麻痺してしまい、一部の遠地サポーターや、審判団・マッチコミッショナー、引いてはスカパー!放送の解説者までもが試合に間に合わず、舞台裏ではてんやわんやの大騒ぎだったらしい。

あとからスカパー!の試合録画をご覧になった方なら判ると思うが、この日の放送予定は J Sports Plus(308ch) であったため、予定された解説者は、いつもの鈴木武一氏ではなく、別な方のはずだった。ところが、試合に間に合わない事が判り、急遽、別目的で来場していた鈴木武一氏が、結局はこの日も解説を務める事になった、との裏話もあった。

惜しむらくは、この試合のチケットを握りしめながら、交通機関の麻痺の影響で、試合終了までに到着できなかった、一部サポーター(特にアウェイ側の川崎サポーター)諸氏の存在。あの状況下ではおそらく数名、いや数十名規模で、観戦に間に合わなかった人は居たと思われる。天候の影響とは言え、大変残念な出来事でもあった。

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試合後、今季の締め括りとしてのクラブからの総括と共に、今季での引退を表明した、平瀬と千葉の引退セレモニーも執り行われた。

平瀬の、最後の我が侭である「僕の背番号14を、赤嶺君に渡したい」と言った気持ち。

千葉の、最後のサポーターへのお願いである「5年後も、10年後も、ベガルタ仙台を愛し続けて下さい」と言った気持ち。

どちらも、来季以降のベガルタ仙台の躍進を願う、仙台愛たっぷりの挨拶だった。

今後も彼らは、何らかの形で、クラブとのパイプを持ち続けてくれる事だろう。彼らのセカンドキャリアの行く末はまだ判らないが、記念試合やイベント事などのピンポイントでは、その元気な姿を見せてくれるに違いない。

15年間、ありがとう。千葉直樹選手。
3年間、ありがとう。平瀬智行選手。

仙台が今季、J1に昇格し、そして今季ここまでチームの成長がみられたのも、彼らベテランの牽引なくしては成し得なかった事と思っている。

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仙台の7季ぶりのJ1挑戦は、ようやくその幕を下ろした。だが、早速、戦力外選手の発表もあり、また水面下では、監督人事での紛糾もみられる事から、既に「来季の闘い」が始まっているとも感じている。

「勝負は2年目」-。

前回J1の時も、2年でのJ2降格となった事から、来季こそが正念場という事は、仙台のサポーターであれば、誰しもが感じている事だろう。

監督の人事も含め、来季の陣容がいったいどうなるのかはまだ判らない。が、少なくとも、J2時代から積み上げてきた「財産」を切り崩すような人事には、絶対に反対する。

基本路線は、やはり現監督の来季続投だろう。時折の失敗も見受けられたが、最後はキッチリと帳尻を合わせ、自力での残留を果たしたのだ。これは、昨年にJ2優勝を公言し、最後はそれを達成してみせたのと同じだけの価値があると思っている。であれば、契約年数はともかくとして、まず来季は現監督の続投とし、「仙台のこのサッカーが、来季、どこまで通用・発展するのか」をみてみたい諸氏は多いはずだ。

来季、J1開幕まで、約3ヶ月。毎年思うが、長いようで案外短いものだ。

クラブ・チームはこれから、2011年に向けての準備に入る。

私たちサポーターも、しっかりとリフレッシュし、来季へ向け、準備を始めようではないか。それまではこのブログも、しばしのインターミッションを頂く事としたい。(但し、何らかの大きな出来事があれば、特記レポートとして掲載する事はあるかもしれないので、その節は宜しくお願いしたい次第である)

来季は、今季以上の成績達成と活躍を願って-。




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