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期待に胸を躍らせながら、映像に食い入って観た、今季開幕戦。気になっていた2トップは、赤嶺・マルキーニョスの組合せと、各メディアの予想通りだった。もちろん、期待度MAXな選出であると感じていた。
結果から言えば、残念ながら最後までお互いのスコアが動く事は無かった。だがその内容を見れば、明らかに昨年の仙台とはひと味もふた味も違う、上位躍進への可能性充分なものと言える。
最終ラインに、新韓国人センターバックのチョ・ビョングクが入り、自陣ゴール前の屈強性は、より強固なものに。鎌田との相性も良いようで、バランス良く自陣ゴール前でブロックを構成し、ボールが入ってくれば、体を張ってこれを阻止。広島の1トップ・李を始め、敵方の攻撃陣の決定機を事前に摘み取る作業を丹念に行っていた。チョ・ビョングクに関しては、ほぼ期待通りの活躍と考えて良いと思う。
そして注目は、やはり攻撃陣の顔触れ。2列目に梁と関口が構える構図は不変も、昨年途中から加入した赤嶺と、そしてマルキーニョスのコンビが織り成す、魅惑のゴール急襲劇は、いつ先制点が決まってもおかしくない展開を何度も呼び寄せていた。
特に、やはり「マルキーニョスの良さ」というものを、初めて肌で感じれたように思う。ボールを失わない手強さ、右サイドに流れてのチャンスメーク、セットプレーでのゴール前での嗅覚。そしてやはり驚かされるのは、前線からの守備への、その献身性。広島の守備陣が抱えるボールへ、積極的にアプローチし、あわよくば奪い去ってショートカウンターに持ち込もうという意図も、充分に感じ取る事ができた。
「なるほど、これがJで10年も活躍できた外国人選手の魅力なのか」と、改めてマルキーニョスの良さというものを思い知った。
ただ、「マルキーニョスと赤嶺の連携性」という点からみると、まだまだ「噛み合わなさ」というものはある様子。ここばかりは流石に、キャンプ中に完全克服できるようなものではなかったようで、お互いの距離感や、ボールの出し手と受け手の呼吸の合わせ方など、もう少し様子見はしたほうが良さそうである。もし、この2トップの組合せに、現時点での点数を付けるとすれば、65点~75点くらいか。ただ、残りの35点~25点は、次節にも埋まる可能性も。
サイドを剔ってクロスを上げたり、セットプレーでCKやFKなどでゴールを狙うなどの作業を繰り返す事によって、徐々に連携が良くなっていっている事は、この試合の映像を通して、充分に感じ取る事が出来た。
本当に、「あと一呼吸、二呼吸程度」のズレのように思えるのである。
この試合を観て、今季の仙台は、間違いなくマルキーニョス・赤嶺の2トップを軸にして戦うつもりなのだ、とのメッセージを感じ取れたように思う。
惜しむらくは、関口が今ひとつ元気が無かったように感じた事。2列目がもっと積極的にフィニッシュに絡まなければ、得点チャンスは拡がらない。今節の試合を通して、マルキーニョスが右サイドからの攻撃を好む印象を受けたので、やはり関口がそこに絡んで行かなければ、他チームへの驚異とはならないだろう。
ここで言いたいのは、「マルキーニョスという豪華な単品料理」だけでは、お腹をいっぱいにする事は出来ないという事であり、そこには、皿なり器なり箸なりの「お膳立て」が必要という事。マルキーニョスという豪華料理を活かすには、その周囲の選手も、彼のレベルに合わせてプレーしなければならない、という事なのだ。
ただ、それは決して難しい事ではないはず、とも思っている。
感じているのは、「まず1本、マルキーニョスが絡んだゴールが産まれれば、そこを足掛かりにして、次から次へとゴールを量産し始まる予感」である。
今季、新戦力を充分に補強し、そして予想通りマルキーニョスを軸とした攻撃展開を見せてくれた仙台。ただ、まだそのエンジンが暖まり切っていないという様子も感じられた。言い換えれば、「試運転中」というニュアンスでも良いかもしれない。
しかしそれも、時間の問題だろう。早ければ、次節のホーム開幕・名古屋戦で、ギアをトップに入れた、仙台攻撃陣の躍動と、そして今季のファーストゴールが見れるのではないだろうか。
昨年と比べ、明らかに「J1らしいチーム」へと変貌を遂げた仙台。今節は惜しくもスコアレスドローで終劇となったが、無失点試合を達成した事も含め、チーム全体としての完成度は、かなり高いもののように思われる。
次は、得点という形で。そして、勝利という結果を。
相手が、昨年のJチャンピオンだろうが、もはや関係ない。
私たちは、私たちのチームを、自信を以て、必死に応援するのみである。
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