訪問者数:

ページビュー:

第11節vs磐田戦プレビュー 赤嶺の復帰期待、朴柱成出場停止明けなど、主力陣が戻ってくる今節。期待するのは、赤嶺・太田で構成する「磐田迎撃2トップ」の活躍。しかしその裏で、"俺たちの野獣"が、牙を剥いて出番を狙っている。昨季2勝と好相性だが、相手も上り調子。変わらぬ戦い方で、再び、前へ。

トラックバック(0)
■サッカーブログランキングに参加しています、ご協力をお願いします■
にほんブログ村 サッカーブログ ベガルタ仙台へ
にほんブログ村

GWの連戦も終わり、久しぶりに1週の間が空いたJリーグ。ミッドウィークで開催されたACLの結果を見て、日本からの参戦4チーム全てが決勝トーナメントへ進出した事を知り、いつか"あの舞台"へ、仙台が登壇して欲しいものだと改めて想った次第。

さて今週の対戦だが、ジュビロ磐田をホームに迎える。昨季はリーグ戦で2勝と好相性を見せている仙台だが、磐田は前節に、2年連続J1得点王のFW前田が2ゴールを挙げ、「天敵・山形」を4得点で粉砕。順位も6位に付け、今節の対戦結果によっては、磐田に順位で逆転される可能性もある事から、鼻息を荒くして来仙する事だろう。

現状のデータから見ると、この試合のポイントは「5試合2失点の仙台 vs 5試合3失点の磐田」という構図か。だが「守り合い」の様相は感じられず、むしろ「攻め合う」予想のほうが強く感じられる。その理由は、お互いのFW陣の好調さにある。

磐田は、前節にようやくFW前田が今季初得点を挙げた事に加え、若手ながら磐田在籍5年目のFW山崎亮平が、前田と同じく今季初得点と、今季初めて、2トップの得点揃い踏みとなった。しかし、それだけに留まらない。今季、磐田のここまでの7得点中、FWの得点が実に5得点。ジウシーニョも金園も既に今季得点を挙げており、「FWが結果を出す」という、ごく当たり前の責任が、きちんと果たされているのだ。

翻って、我らが仙台。FW陣の好調さでは、磐田に引けは取らない。MF登録ながら今季はFWとして主力に定着した太田の3得点を始め、福岡戦では赤嶺も今季初得点。また、得点こそ遠ざかってはいるが、今季の中島はプレーの随所に光るものがあり、川崎戦や福岡戦では、決勝点に繋がるセットプレーを獲得。前節では赤嶺の代役で先発出場を果たし、前線から積極的に守備や攻撃に奮闘した。(本人に代役のつもりは無かっただろうが)

また、今季へ向けての期待ポイントとしては、誰しもが「ジュビロキラー・赤嶺と、古巣対戦に燃える太田」に注目している事と思われる。更に実は、今季新加入の柳沢も「隠れたジュビロキラー」だった。10年以上前の古い話だが、柳沢は磐田を相手にハットトリックを達成した事もある。

※Jリーグで100得点という偉業を成し遂げた選手でもあるので、ハットトリックの一つや二つ、決して驚くべきものではないが。

現在はまだ手術後のリハビリ中であり、復帰はもう少し先になりそうだが、磐田からしてみれば「嫌な相手が在籍している」という印象もあり、仙台にとっては、必ずしも悪い材料ではない。「新旧・ジュビロキラー」の存在に加えて、昨年はカップ戦ながら、磐田から1ゴールを奪った太田のモチベーションの高さを考えれば、楽しみこの上ない一戦となりそうな気配である。

これだけお互いのFW陣が好調だと、「撃ち合い=得点の取り合い」の様相も呈してくる可能性も考えられるが、そこはお互いの守備陣の堅さが、安易な撃ち合い予想を、真っ向から否定する。だから、冒頭では「撃ち合い」ではなく「攻め合い」と表現してみた。

お互いが攻め合い、それぞれチャンスを創りながらも、お互いの守備陣が最後に体を張り、相手に得点を許さない。そんな光景が、攻守目まぐるしく切り替わる展開-。想像しただけで、喰い入るように試合にのめり込み、時間が経つのを忘れてしまいそうではないか。

そして、仙台としては、現在活躍中の好調FW陣に加えて、いよいよあの選手のベンチ入りが濃厚だ。

FW9・中原貴之。昨年末の手術により、復帰がずれ込んでしまっていたが、ここへ来てようやく今季の出場が叶いそうだ。当初の復帰時期は6月と言われていただけに、一ヶ月も早い復帰の報に驚いた方も少なくはないだろう。本当に足はもう大丈夫なのか?と案ずる声もあるかもしれないが、そんな心配を吹き飛ばすだけの"材料"がある。

前節・C大阪戦明けの8日。大和町のダイナヒルズで行われた練習試合(グルージャ盛岡戦)にて、中原は後半の頭から出場し、見事に1得点を挙げている。

この模様は、筆者も現地で見学して来た。後半22分ころだったが、敵陣左サイドで味方からボールを貰った中原は、少し前へ持ち込み、そしてそのまま、迷わず右足でシュートを放った。

ちょうど、筆者が座っていたバックスタンドの客席の位置は、中原の撃ったシュートの軌道の対角沿線上にあった。このため、中原が撃ったこのシュートの軌道を、ほぼ「真後ろ」から確認する事が出来た。この日は風が強かったせいか、ハイボールは尽く上空で流され、或いは押し戻され、選手もゴールキーパーも苦労していた様子があったが、中原がこの瞬間に撃ったシュートは、グラウンダー性となり、強風の影響を受ける事もなく、まっすぐに盛岡ゴールの左隅を捉えていた。盛岡のGKも反応したが、コースが良く、ボールはそのまま吸い込まれてネットを揺らした。

あの瞬間。その場に居た誰しもが、FW中原の復活間近を実感した事だろう。そして、よく考えてみれば、「中原の足」というのもまた珍しい。カテゴリーの違いからくる、相手との力量差があるとはいえ、一応、盛岡のディフェンスは中原のシュートをブロックしようとして詰め寄っていた。そんな状況の中で、落ち着いて、あれだけ正確なコースを突くシュートが撃てるようになっていた、と言うのだろうか。

「中原の足」と言えば、以前は「決まらない」事で有名だった。公式戦でのプレー中に、中原の足にボールが収まったときには、そのボールをわざわざ浮かせて、頭でシュートを撃って欲しいと、本気で願っていたくらいだ。それだけ彼は「頭で決める」印象が強い。それだけに、この練習試合で「普通に足で決めたシーン」を見れた事は、得点を挙げた事以上に、中原の成長をも実感できる、良い体験となった。

この得点シーンも含め、練習試合での彼の動きを見る限りでは、もう何も問題がないように感じた。おそらく、磐田戦はベンチ入りする事だろう。赤嶺・太田の2トップ先発が予想される事から、ベンチスタートとなる可能性が大だが、それでも、試合後半の大事な時間帯で、中原を投入できる意義は大きい。

どのような得点経過となっているかは別としても、後半でもし中原が投入されれば、その時点で、磐田側はむやみに前線へ上がって来れなくなる。中原の「高さと頭の強さ」を考えれば、うかつに自陣を留守に出来なくなるからだ。もし、少しでも中原をフリーにした状態で、仙台陣の後方からのロングフィードなどが中原に入ろうものなら、一気に仙台が得点機を迎える事に成りかねない。

もし、試合終盤に1点リード以上で中原を投入する事が出来れば、おそらく、その時点で磐田は自陣に釘付けにされる事だろう。この段階で、ほぼ磐田側に勝ち目は無くなる。よって仙台としては、極力、先制弾を放ってリードした状態を維持しつつ、中原の投入に繋げたい。

ところで今節は、非常に興味深い「順位と対戦カードの妙」がある事に気が付いた。現在1位の柏レイソルから、現在6位のジュビロ磐田までの6チームで「上位6チームによる直接対決3試合」が組まれているのだ。

1位・柏    vs 5位・新潟
2位・横浜FM vs 4位・広島
3位・仙台   vs 6位・磐田

あまりに出来過ぎな対戦カードではないか。しかもこのうち、2位の横浜FMから5位の新潟までに、今節終了時点で首位へ躍り出る可能性がある。(6位・磐田だけは、仙台に勝っても首位の柏に勝ち点で届かない)

しかも、この3カード全てが同日中の開催予定(14日のJ1は5試合を予定)となっている。翌日の15日に開催予定のJ1・4試合では、どのチームが勝っても、今節は首位に届かないのだ。あまりに出来過ぎな「対戦カードの妙」に、何やら、運命の悪戯のようなものを感じる。

毎節、勝利を目標としなければならない事は間違いないのだが、今節は特に、前述のような事情から、尚更に勝たなければならない。負ければ一気に順位を落とす可能性もあり、勝てば、首位再浮上の目もある。まるで、ハイリスク・ハイリターンな高掛け金ギャンブルの如く、だ。

磐田側としては、首位争いに食い込むためには、何としてでも今節の勝利を期して臨まなければならない。前節にホームで山形を相手に、4得点の大勝を挙げ、意気揚々と仙台に乗り込んでくる事は必至だ。

仙台側としては、決して「前節の山形の仇をとる」という意味合いでもないが、今節、負けられない一戦となる事は確か。お互いが好調なFW陣とDF陣を擁し、好ゲームになる事が期待されるも、やはり、最後に勝つのは仙台で在りたい。

この試合においても、一戦必勝の気持ちで臨む事に変わりはない。

変わらぬ戦い方で、再び、前へ。結果が着いてくる戦い方が出来ているのだ。自信を持って、磐田を迎撃しよう。




■サッカーブログランキングに参加しています、ご協力をお願いします■
にほんブログ村 サッカーブログ ベガルタ仙台へ
にほんブログ村