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6月の5連戦の2戦目。いよいよ、今季限定の「平日昼間開催」の一戦がやってくる。
それも、相手はあのガンバ大阪。日本代表・遠藤を擁し、現在得点王のアドリアーノ(8点/6.14現在)と、10代ながらA代表からも声の掛かった宇佐美が在籍。攻撃面では、他の優勝候補とも全く引けを取らない、恐ろしいくらいの豪華メンバーを誇ったチームである。
そしてこの日は、最高気温23℃が予想され、しかもキックオフは14:00。いくらユアスタの照明の復旧が間に合わないとは言え、ちょっと過酷過ぎないか?と思えるような試合時間に加えて、平日の日中帯である事から、観客の動員にも相当な影響が予想されている。一説では、J1開催後初の「1万人割れ」も囁かれているくらいだ。ホームの大声援も強力な武器とする仙台にとっては、少々どころではない痛手となる。
それでも、試合は開催される。やるからには、勝つ事を考えて臨みたい。が、相手はあのガンバだ。そう簡単に勝てる相手ではない事も判っている。
ここで、落ち着いて、仙台とガンバ大阪の現在の特徴を比較してみたい。
まず、対戦相手となるガンバ大阪。現在まで、2試合少ない7試合ながら、14得点・14失点。異様に失点が多い事が目立つ。仙台が9試合の消化で7失点である事を考えると、倍以上の失点だ。しかも、失点率は2.0。つまり、毎試合2失点はしているという事になる。
だがこの数字は、必ずしも驚くべきものでもない。実は、ガンバは昨年も失点が多く、34試合で44失点と、とても2位に躍進したチームとは思えない失点の多さなのだ。(※仙台の昨季は46失点だった)そんなチームが上位争いを繰り広げた理由。それは言わずともがな。驚異的な得点力の高さにある。
つまりは、ガンバ大阪というチームは「失点の多さを、得点力でカバーしている」という事になるのだ。
翻って、我らが仙台。毎試合のように「2点目が遠い・・・」と言われながらも、安定した堅守のおかげで、9試合を11得点・7失点で推移。失点7は、首位の柏の4失点に続き、広島と並んで2位タイ。どこを相手にしても、充分に対峙できると言えるだけの根拠の一つである。
・・・と、ここまでを見ると、「攻撃のガンバ大阪 vs 守備の仙台」という構図の様相を伺わせる。が、この試合。筆者は敢えて「仙台の攻撃 vs ガンバ大阪の守備」が、勝敗を分けるポイントとなりそうな気がすると言いたい。
その根拠の一つは、やはり「MF松下の古巣対戦」という事実。ガンバ時代はあまり出場機会に恵まれず、出場機会を求めて新潟に移籍してからのほうが活躍したイメージの強い松下だが、FKの名手としても名を知られる松下が、ガンバでの出番が少なかった理由。それこそが、現在もガンバの顔であり、日本代表の不動の7番・遠藤保仁の存在ではないだろうか。恐らく、遠藤がガンバに居なければ、松下のガンバでの出番は充分にあっただろう。
そしてもう一つ。「ガンバ大阪の守備」の穴として、後半15分~後半30分の時間帯の失点の多さが目に付く。
公式記録を見ると、2010年のガンバ大阪の時間帯別失点では、この「後半15分~後半30分の間に11失点」を喫している。これは、全18チーム中ワースト3位タイ。そして2011年の同じ時間帯の失点は、ここまで7試合ながら、既に5失点。なんと、昨年を上回るペースで、この時間帯に失点を喫しているのだ。しかもこの数字は、J1チーム中でワースト1位である。
「中弛み」とでも言うのだろうか?
特にこの時間帯は、後半の選手交代が頻繁に発生する時間帯でもあるが、それが理由かどうかに関係なく、確かに、ガンバはこの時間帯での失点が多い。ここは、対戦相手としては「狙い目」として是非とも考えたいポイントではないだろうか。
今節、例えホーム試合であっても、相手が強力な攻撃陣を擁するチームである場合は、アウェイでの戦いのような、堅い試合への入り方をも得意とする仙台。今季の守備の要である、センターバックのチョ・ビョングクが、疲労と負傷の影響で今節は先発を外れる公算が大きいと報道されているところが、今節の若干の不安材料ではあるものの、ここはフレッシュな渡辺広大がカバーしてくれるものと推察。
仙台としては、これまでと同様、組織的な堅守を礎とし、決してアドリアーノや宇佐美に、前線で仕事をさせない事を試合構成のベースとしつつ、切れ味の鋭いショートカウンターで、ガンバの守備陣を徹底的に切り裂きたいところだ。
中3日、しかも暑い昼間の開催で、平日のために観客動員が見込めないなど、アウェイさながらの様相の今節だが、それならば「アウェイのような戦い方」をするだけで済む仙台にとって、今節の試合を取り巻く状況は、決してビハインドにはならないだろう。むしろ、今季ここまで8得点(PK含む)と絶好調のアドリアーノを擁しながら、失点の多さに泣き、現在8位に沈んでいるガンバ大阪は、ここ2試合でも勝利を逃しており、そろそろ勝ちたいと意気込んで仙台に乗り込んでくると思われる。
が、そうは問屋が卸さない。
中3日という過密日程の中で、アウェイのために移動するというのは、思いの外、疲労を感じるものだ。もちろん、前日に仙台入りして休息は取るだろうが、その分、練習などの調整の自由は利かなくなり、コンディション調整の面で、少なからず影響が出るものである。
その点、今節の仙台は、月曜日には試合会場となるユアスタでの練習も出来ており、調整は万全。しかも、現在は「あの鬼フィジコ」が鍛えている。ホーム開催で、例え相手がガンバだろうと、移動の無いホームでは「足が止まって試合終盤に失点を喫した、前節神戸戦」の二の舞を演じる訳には、到底行かないのである。
今節も恐らく、MF松下を2列目(恐らくトップ下)に配した、4-2-3-1の布陣で臨むものと予想される。1トップが苦手だったFW赤嶺も、神戸戦の得点シーンを見る限りは、ようやく「1トップの仕事」に慣れてきたと見える。神戸戦の得点で、今季既に4点目。このガンバ戦でも、赤嶺が得点に絡むシーンを想像するには難くない。
厳しい日程の最中ではあるが、まだ疲労を理由にするには早過ぎる消化試合数だ。あとの事は考えず、まずは目の前の1試合に集中したい。
ところで、今節で気を付けたいガンバの選手の中に、MF8・佐々木勇人選手がいる。言わずと知れた、塩釜FC-山形-G大阪と、地元出身ながら、仙台に縁の無かった選手だ。(いや、正確にはこちらから縁を・・・むにゃむにゃ)
前節の神戸戦では、「福島市出身の茂木」に、失意の同点弾を許している事から、今節も「塩釜市出身の佐々木」には充分に注意したい。彼らも、仙台と同様に「故郷の被災地・被災者への勇気付けの想い」を強く持っている選手だ。もしかしたら、アドリアーノや宇佐美ではなく、佐々木にゴールを許す展開も考えられなくもない。
仙台としては、「そうなってしまう前」に、なんとしてでも2得点を挙げて、試合を決めてしまいたい。1試合の平均失点数が「2.0」と失点の多いガンバが相手なら、「データ上は」達成し易い数字ではある。
現在、リーグ戦8戦連続(ナビスコ杯・柏戦を入れると9戦連続)で先制点が獲れている仙台。にも関わらず、その中でマルチ得点を挙げられているのは、3-3で引き分けた、ホーム磐田戦のみ。このままでは、上位に生き残れるはずもない。「ウノ・ゼロ」での勝利の美学も悪くはないのだが、同時に「いつ追い付かれるのか」という、心臓に悪いスコアである事も確か。安定的に勝利するためには、最低でも2得点は必要だ。もう「1-0で勝てる試合は無い」と考えるくらいの気概で、試合に臨むべき時期が来ていると思うのは、筆者だけの妄想だろうか?
試合当日、天候の心配は全くない。むしろ、暑さとの戦いになる事が予想されるくらいだ。しかし、その暑さを逆手にとって、「ガンバに攻めさせて」体力を消耗させ、相手が疲弊し切ったところで、後半15分~30分の時間帯で決勝点を奪って勝利できればベストゲームと言えるだろう。
この試合、負ける雰囲気などさらさら感じない。むしろ、神戸戦よりも勝利の可能性が大きいのではないか、と思っているくらいだ。
-貴方は、どう思うか?それでも、ガンバの高い攻撃力に、コテンパンにやられる仙台の姿を想像するのか。
少なくとも、仙台の過去の「対・ガンバ戦」から想定されるような試合展開には成らない、と筆者は考えている。
それだけの期待感が、今季のチームにはあるのだ。「期待」して、何が悪いと言うのか。
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