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2010年8月アーカイブ

前半の終了間際。痛みを堪えながらピッチ上にうずくまり、ストレッチャーに乗せられてピッチをあとにした、FW赤嶺真吾。

前節の大宮戦で全3得点を叩き出した、フェルナンジーニョと赤嶺の姿は、この試合の後半のピッチには無かった。大宮戦の結果を受け、この試合でも彼らのゴール共演に期待したサポーターは多かったはずだが、サッカーの神様は、それを見事に裏切ってくれた。

運命とは、ときに、残酷である。

前節、実に4ヶ月半ぶりのリーグ戦勝利を挙げ、ようやく降格圏脱出の目処が立った仙台。対戦相手だった大宮は決して不調という訳ではなく、戦前は厳しい予測筋の矢面に立たされていたが、蓋を開けてみれば、前半3分に相手の出鼻を挫くフェルナンジーニョの先制点を挙げ、その後も90分間に渡って主導権を握り続けるという、「とても14戦勝ち無しとは思えない試合内容だった(スカパー解説者・談)」サポーターにとっては願ってもない勝ち方で、これまでの溜飲を下げた格好となった。

直近5試合の成績で比較する限り、「3勝2分0敗」vs「0勝2分3敗」という、完全に真逆な状況で迎えた、今節の対戦。しかも、大宮は中3日ながらホームであり、移動による疲れは無い。中4日でアウェイの仙台とのアドバンテージ差は、無きに等しい状況での対戦になるはずだった-。

目先の戦績だけを見る限りでは、ホームの利をも活かし、大宮優勢と見る人は多かった事だろう。事実、順位でも 12位 vs 16位 と、ホームチームの勝利という結果を予想するには、充分過ぎるほどの材料。

前節の他会場の結果に目をやると、15位磐田、そして14位大宮が、それぞれ共に勝利し、13位と12位へ、一気にステップアップした。

対して、我らが仙台。16位からの転落こそ免れたものの、15位・神戸との勝ち点差は4。危険水域的勝ち点差に拡がってしまった。

実は、筆者は現地参戦してきたのであるが、現地到着は、後半の試合開始のホイッスルが鳴った時間帯であった。このため、実際の試合観戦が後半10分頃からに限定されたレポートとなる。予め、ご了承をお願いしたい次第。

お盆期間の帰省ラッシュを軽視していた訳ではないのだが、キックオフまで6時間以上の余裕を持って、泉を出発したつもりだった。

仙台の13戦勝ち無しという記録も、かなり厳しいものではあるが、浦和のリーグ戦再開後の「6戦1勝5敗」という成績も、とても予想だにはしなかった、驚きの状況である。

参考までに、浦和のリーグ戦再開後の成績を確認しておこう。

07/18 G大戦 2-3 ×
07/24 広島戦 0-1 ×
07/28 京都戦 4-0 ○
07/31 大宮戦 0-1 ×
08/08 神戸戦 0-1 ×
08/14 名古屋 1-3 ×

今季2度目の3連敗-。
その「現実」は、今、敢えてこれを横目に置いておきたい。

重要なのは「今節の敗戦の原因を探す事」ではない。そんなものは、誰の目にも明らかであり、今更、検証の必要など無いからだ。

長いリーグ戦も、折り返しのスタートとなる今節だが、チームは16位と低迷し、かつ、なかなか再浮上の兆しが見えてこない仙台。今節は、昨年末の天皇杯で、力の差を大いに見せ付けられた、あのガンバ大阪が相手となる。

2点を先行した川崎戦では、3失点をくらって敗戦し、1失点で済んだ横浜FM戦では、1点も取れずに敗戦。どうしてこうも、攻守の噛み合わせが悪いのだろうか-。

もっとも、数字的な戦果を問う以前に、現在の仙台に見て取れる、深刻な事態を検証しなければならない。

MF千葉直樹の出場停止、そしてFW中島裕希の負傷離脱。だがそれ以前に、4試合中3試合で3失点と、守備面・特に後半の安定性の無さを、どう再建するかが問われる一戦となる。

学習能力が無いのか、このチームには-。

2点リードからの大逆転を喰らっての、敗戦を告げるホイッスルが鳴った時、つくづく、そう想った。