訪問者数:

ページビュー:

2010年10月アーカイブ

現在降格圏に沈む下位・京都を相手に、前節のC大阪戦でみせた堅守そのまま、2試合連続の無失点を達成し、最小限の得点を守りきって、今節の勝利を収めた仙台。この勝利により、勝ち点を34へと伸ばし、今季のJ1残留確定へ向け、また一歩前進した。

ただ、勝つには勝ったが、本来ならこの試合は、3-0 や 4-0 で勝てていた試合でもあった。

残り7試合。積める最大の勝ち点は21。一方、現在16位・降格圏を彷徨う神戸の勝ち点は23。

その差、8。

仙台が3連敗し、かつ、神戸が3連勝というシチュエーションにでも成らない限り、ひっくり返る事のない差である。かつ、神戸の今後の対戦相手をみれば、とても3連勝どころか、最終戦までに2勝を挙げられるかどうか判らない状況。

後半。仙台は、シュートを1本も撃つことができなかった-。

決して、攻撃の意欲を失った訳ではない。カウンターチャンスには鋭く攻め上がり、もう少しでフィニッシュ、というシーンは何度か見て取る事は出来た。だが、この試合だけは「超攻撃的なC大阪を止める」事に集中する事で、精一杯だった。

C大阪戦を明日に控えた、このタイミングに至ってもなお、前節の「FC東京戦・試合終盤の同点弾・決勝弾」のシーンが、未だ、記憶に鮮明である。

今節のC大阪戦では、どうやら、前節の立役者となった、フェルナンジーニョとエリゼウの先発が濃厚。特に、負傷が癒えたフェルナンジーニョの先発復帰は、現在4位と、ACL出場権の獲得を伺うC大阪との大事な一戦へ向け、大きな期待材料となる。

両チーム合わせて5つのゴールが産まれたこの試合は、仙台からみれば、常にFC東京にリードを許し、試合終盤まで苦しい展開を強いられた。だが、勝ち点を絶対に諦めない仙台の攻め続ける姿勢が、最後は運をも呼び込み、奇跡的な大逆転劇を演じた-。

順位こそ15位に沈んではいるが、日本代表経験者を多く抱えるFC東京は、個々の選手の能力をみれば、決して「本来ならこんな順位に居るはずのないチーム(手倉森監督)」だ。だが、そんなチームが、現在15位に沈んでいる理由。それこそが、仙台がこの試合を制するポイントになるだろう、と予想していた。

その"理由"が何なのか。それは、この試合の終了間際に、突如として顔を出す事となる。

実に、一ヶ月半ぶりのユアスタである。

アウェイが続いた事や、前回ホームが宮スタだった事(仙台カップとの絡みもある)、そして天皇杯とナビスコ杯の敗退により、先週は試合が無かった事を総合した結果として、ユアスタでの試合が、実に一ヶ月半ぶりとなった。

前半22分。右サイドをえぐった菅井からのクロスに、赤嶺と梁が詰めた。赤嶺がシュートを撃つ振りをして、これをスルーし、敵の虚を誘う。赤嶺の後ろで完全にフリーに成っていた梁が、落ち着いてシュート。ボールは楢崎の反応を嘲笑いながら、豪快にゴール左隅に決まった-。

山形戦・横浜FM戦を無失点の連勝とし、降格圏の16位・FC東京に、勝ち点差6を付けた仙台。直近の5試合の成績は4勝1敗・失点2と、ようやく「堅守・仙台」が戻ってきた印象を受ける。

復調してきたチームが、結果的にナビスコカップの影響も受ける事もなく(素直に敗退と言いたくないので、どうぞご容赦の程を)、万全のコンディションで首位・名古屋戦に臨もうとしていた直前の事だった。