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2010年5月アーカイブ

後半25分。その男が投入されてから、僅か5分後の事だった-。

中央で2人を引き連れ、ドリブルで駆け上がるMF太田。その左サイドを併走するMF高橋義希へ、太田から横パスが出ると、義希はこれを落ち着いてシュートを選択。なんとそのボールはほぼ無回転で宙を舞い、C大阪GKキム・ジンヒョンの右手をも撥ね付けて、ゴールネットに豪快に突き刺さった。

W杯による中断期間突入後の初戦、ナビスコカップ第4節。vsFC東京戦は、ホーム・ユアテックスタジアム仙台にて開催された。平瀬の1トップには大いに期待していたが、その期待を裏切る事なく、2列目の太田・フェル・関口が見事に連動し、素早いパスを繋いでFC東京の裏を積極的に狙い続けた。
名古屋戦の好内容を受け、期待に胸が膨らんだ今節。だが、蓋を開けてみれば、試合後半の途中まで浦和の中盤に押されっぱなしの展開で、よくぞ1失点で済んだものだと逆に感心してしまうような、終始圧倒され続けた展開だった。
4月4日の鹿島戦の勝利から、早や1ヶ月と10日。その後の6戦を、2分4敗の勝ち無しで推移し、喉から手が出るほど勝利が欲しい仙台。時間は掛かったが、内容に好転の兆しも見られ、残すは勝ち点3を挙げるのみとなった。

平瀬、今季初先発-。

その報を聞いたとき、攻撃の連動性復活の予感は充分にあった。今節のプレビューでも、「この試合、とにかく、決定機は数多く創れそうな予感はする」と書かせて頂いたのだが、まさにその通りとなった。

3連敗のあとを2分とし、少しずつではあるが調子を取り戻しつつある仙台。今節の相手は、GK楢崎・DF田中マルクス闘莉王・FW玉田など、現役日本代表を多く擁する名古屋グランパスである。ワールドカップに向けた代表選手の選出発表直前とあって、日本代表・岡田監督がこの試合を観戦に来るとか来ないとか、イマイチはっきりしない噂も飛び交っている。

気温が30℃に迫る暑さの中、選手は、耐えて勝ち点1をもぎ取った-。

全国的な好天に恵まれる中、気温がぐんぐん上昇し、公式記録では27℃となったこの試合。仙台は序盤から攻勢に撃ってでようとするものの、効果的なシュートをなかなか撃つ展開まで持ち込む事ができず、前半終了時点でのシュート数は、僅か1。17分に、朴柱成が撃ったミドルがGKに阻まれたものだけであった。後半終了時点でも、記録されたシュート数は、僅かに4。なんとも寂しい決定機の数となってしまったが、要所要所で、次節に繋がる見所が散見された一戦となった。

4月の清水戦以降、決定力への課題を克服できていない仙台。もっとも、今すぐに解決できるような初級問題というものでもないため、現実的な対応案として、守備をより強固にした上での「数少ないチャンスを如何にモノにするか」という点に集中したかったところだったが、ここへ来て、最終ラインの"異変"という要素も絡んできてしまった。

4試合ぶりの先制点-。

それが決まった時、改めて"決定力の必要性"を痛烈に感じた。渡辺広大に代わり、センターバックの一角として先発に定着し始めた、DF鎌田次郎。彼がペナルティエリア内の混戦から撃ったシュートは、そのシュートコースを消していた敵側守備5人の頭上をあざ笑うかのように通過し、逆サイドのネットを豪快に揺らした。