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2009年5月アーカイブ

これほどまでに、相手のやりたいサッカーを完璧にブロックし、カウンターが面白いように決まった試合は見た記憶がない。

戦前のプレビューにて、「相撲に例えれば、『叩き込み』のような決まり技での勝利」を期待させて頂いた。それは具体的には、相手に自分のやりたいサッカーをさせず、決して相手とガブり四つにならずに、相手の勢いをうまくかわして、一瞬のスキを突いて得点を重ねるという意味を表現したつもりだった。

4月29日(水・祝)に今季初の対戦となったこのカードでは、仙台が2-1で逃げ切り勝利。対戦前にはFW荒田の台頭が目に付き、そこを如何に抑えるかがポイントとなった試合だったが、これについてはほぼミッションを完遂し、連勝を4に伸ばした試合となった。

あれから一ヶ月。早くも今季2度目の対戦を迎えるが、前回対戦後の、この一ヶ月間の水戸の成績は、2勝2分2敗の5位。荒田の長期離脱をものともせず、強かに勝ち点を稼いでいる。

クラブ初の「福島・あづま陸上競技場開催」となった今節は、強風/90分の計時なし/スコアボードが黒板/芝生席中心と、まるでサテライトかJFLの試合か?と思わせるような雰囲気の中で行われた。

7連勝のあと、徳島戦・愛媛戦の2試合を勝ち無しで推移。第一クール最終戦となる今節を勝利で締めくくるべく、ふんどしを締め直して臨む試合となった。その「締めるべき部分」とは、後半の立ち上がりの事。徳島戦・愛媛戦とともに、後半の立ち上がりの悪さから、せっかくのリードを勝利に結びつける事ができなかった。

早いもので、この試合で全51試合の1/3を消化する事になる。

ここ2試合こそ「1分1敗」とブレーキがかかっているが、GW連戦を含めての7連勝は間違いなくクラブの歴史の1ページになった。シーズン序盤の連敗やソアレスのフィットの遅延、宮スタの駐車場・動員問題などの紆余曲折はあったものの、肝心のチーム力は一定以上の期待感を持たせる内容で推移。

徳島・愛媛と続いた「四国チーム連戦」は、結局、1分1敗の勝ち点1に留った。

7連勝のあと、堅守・仙台の姿は態を潜め、2試合連続の2失点。愛媛には昨年に続き、またしても敗戦を喫する事となった。

新型インフルエンザが猛威を振るう大阪・兵庫地区を経由し、敵地・愛媛に向かった、ベガルタイレブン。平瀬負傷離脱の中、マルセロ・ソアレスと2トップを組むのは、実績を重ねつつある田中か、それとも前節に今季初出場を果たした、中原か?

連勝の慢心があった、とは思いたくない。

だが、こうして8試合ぶりに勝利を逃してみると、どこかにそういうものがあったのではないか?と考えたくもなる。勝利を逃した理由を分析してみれば、エリゼウが本当にフルスペックで機能できていたかどうかへの懸念とか、平瀬負傷によって前線の軸の1本を失ってしまった事とか、関口が微妙に噛み合っていなかったように見える事とか、いわゆる「ディテール」の部分では、いくらでも思い付く点はある。

チーム新記録となる7連勝を飾ったチームを、負傷者続出の危機が襲った。

FW中島の4週間に加え、CBエリゼウと左SB朴柱成の2週間。そして公式発表こそなかったが、右SB菅井のケガ。徳島戦は、最大で4名の主力を欠く事態に陥る覚悟をせねばならなかったかもしれない、今週前半であった。

「前半勝負」。

予想はしていたが、まさにその通りになるとは-。

こういうのを、まさに"電光石火"と言うのだろう。前半0分の中島の凱旋弾は、まさにチーム応援歌の「電光石火」の歌詞にある、「ゴールを狙って駆け抜けろ」に相応しく、泥臭くはあったがインパクトのある、目の覚めるような先制点であった。

年間で一番厳しいGW4連戦を、なんと全勝で乗り切った仙台。他のチームに、この4連戦を全勝で乗り切ったチームはない。最後にC大阪に敗戦を喫して以来、負け知らずの仙台である。

「スタジアム中が元気になりました-!」

後半2分、梁のFKが決まった時、実況担当のKHB・加川潤アナウンサーが放った一言である。

連戦の最中、久しぶりに背負ったビハインドの状況で、アウェイ熊本戦で自身初・1試合2発のFKを決めた梁が、ホームゲームのこの大事な局面で、その美技を地元サポーターにも披露。福岡に、4試合ぶりの得点を許してしまっていた後だっただけに、この同点弾は選手やサポーターにとって、どれだけのカンフル剤になったか計り知れない。

中2日の4連戦も、この試合が最後となる。4連戦中、ここまでの3試合を全て勝利しているのが仙台のみという事実を、どのように喜べば良いのだろうか-。

だが、喜ぶのはまだ早い。この福岡戦に勝利しなければ、せっかく掴んだ昇格圏内を逸し、勢いに乗ってきた雰囲気に水を差す事にも成りかねない。チームは好調そのものだが、敢えて気を引き締めて臨みたい。

「FWに点を取らせよう-」。

ダメ押しの3点目となるソアレスの得点をアシストした、試合後の関口のコメントである。3点目の得点シーンは、87分の草津CKから生まれた、カウンター攻撃から産まれたものだった。

GW4連戦も、いよいよ3試合目。厳しい過密日程の佳境を迎える、第12節である。

対戦相手は、過去に1度も敗戦経験の無い、ザスパ草津。「正田醤油スタジアム群馬」のネーミングとなってからは、初めての遠征となる。