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2009年4月アーカイブ

どこからでも、点を取れる-。

それが、今季の仙台の戦い方だと言わんばかりに、今季初の関口・一柳の2得点で、「逃げ切り勝利」を収めた仙台。試合内容も、連戦の最中らしく、実によくコントロールされた、見事なものであった。

10節を消化し、「18得点14失点」vs「12得点5失点」。さて、どっちがどっちか?

わずか2~3年前の、仙台vs水戸の対戦カードなら、迷わず「前者:仙台、後者:水戸」という回答をしたに違いない。だが、正解はその真逆である。

よもや、1試合に2本も決まるとは-。

10試合目についてとうとう炸裂した、キャプテン・梁のFK。今週の練習では、皆のシュートが何本も枠を捉えていたとの事で、セットプレーでの得点が決まりそうな予感はしていた。特に梁は、監督からの指示もあり、久しぶりにFKの練習で「蹴り込んだ」との事。

とうとうやってきた、GW4連戦。国民にとっては大型連休でも、Jリーグの選手や関係者にとっては、一番忙しい時期である。息をつく間もないこの時期に、これまで調子の良かったチームが不調に陥る事もあれば、逆に不調だったチームが急に好調になる事もある。

中2日で3連戦も、この試合で一段落-。

3連戦の「初戦」だったホームC大阪戦を落とし、昇格圏にしがみつくためにはどうしても連勝が必要だった仙台が、ミッドウィークの岐阜戦・そして週末の栃木戦をなんとか2連勝で凌ぎ、辛くもこれに踏みとどまった。

1週間で3連戦の過密日程も、この試合で一段落。GWには「中2日で4連戦」というスーパーな過密日程が控えており、良い流れでこのスケジュールに突入するためにも、ここはなんとしてでも連勝を勝ち取りたい。

今節、対峙する相手は、J2初参入の栃木SC。言わずと知れた、あのGK小針清充選手が所属するチームである。スタメン定着している様子なので、仙台への凱旋が非常に愉しみである。

朴・田村の両選手に加え、関口まで欠いたこの試合。終わってみれば、2得点無失点の快勝だった。

各メディアによれば、この試合に臨んだ布陣は、あくまでも「4-4-2の中盤ダイヤモンド」形態。だが、両ウィングに配した選手が永井と富田だった事を考えれば、これは「4-3-1-2の応用陣形」と言える。

C大阪戦で負傷したのは、田村だけではなかった-。

関口訓充、左臀部(でんぶ)痛。C大阪戦で90分通して見せた縦横無尽の動きを見る限り、そんな様子は微塵も感じなかったが、最後まで痛みを堪えて戦っていたのだろう。

通常なら、次の試合まで1週間空く。こんな過密日程でなければ、恐らくは調整が間に合ったはずだ。だが、年間51試合の過密日程が「それ」を許さない。早くも控え陣の奮起が必要な事態に陥った。

前半の良い内容のうちに先制点をあげながらも、リードを生かし切れずに逆転敗退という屈辱を味わった仙台。勝敗を分けたのは、またしても「決定力の差」だった。

今節を語るためには、まず、ある数字を確認して頂く事から始まる。

甲府戦・湘南戦と、内容的には徐々に良く成りつつあったものの、最後の決定力不足に泣き、1年4ヶ月ぶりの連敗を喫した仙台。しかし、前節・東京V戦にて、その汚名をひっくり返す3得点、しかも逆転劇を演じて見せ、待望のC大阪戦を前にして、ようやく「馬列が揃った」と言える状況に昇華した、と語っても良いだろう。

大黒に先制点を許し、朴柱成が前半43分に負傷退場した時、いったい誰がこのような終劇を見届ける事になると、予想できただろうか-。

今季初、マルチ得点勝利。しかも「味スタ初勝利」、及び「対・東京V戦初勝利」となった逆転快勝劇は、前半序盤の押せ押せムードの中、突発的に吹いた「二つのアゲインスト(向かい風)」により、一層その展開を読みにくくさせ、まるで波乱仕立てのドラマのように、観る者を幻惑の渦に巻き込んだものとなった。

約1年半ぶりの連敗を喫し、攻撃陣の立て直しが急務だった仙台。今週の練習では、紅白戦で主力勢4人がゴールを決めるなど、相変わらず「練習では好調」なのではあるが、これを本番で発揮できるかどうか。

土曜日の河北紙によれば、FWの2トップは、中島-平瀬が濃厚。ソアレスはサブに廻るだろうか。中島-平瀬の組み合わせは、開幕の札幌戦・2戦目の岡山戦での構成でもあり、原点回帰となる。