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2014年8月アーカイブ

 後半のアディショナルタイムは5分と掲示され、決勝点を奪うには、充分な時間があった。だが後半は、終始押されっぱなしの仙台にとって、その5分は、被弾の危険性を伴う時間帯でもあった。

 
J1第22節、仙台-横浜FMの一戦は、前後半を通して、中村俊介の高精度コーナーキックから放たれた、豪快なヘディング2発から簡単に2失点してしまい、前半に菅井が押し込んだ同点弾の甲斐もなく、リーグ戦2連敗で、8月の戦いを終える事となった。

 前節の神戸戦。

 
「清水に勝った勢い」だの、「過去対戦では4戦4勝で好相性」だの。
 

 中断期間明け、前節6戦目にしてようやく勝利を挙げた仙台。失点シーンを含め、一部の守備面での課題はあるものの、新加入の野沢の活躍もあり、前半のうちに武藤の2得点が産まれるなど今後に対する明るい材料もあり、前向きに試合に臨めそうな雰囲気で今節を迎える。

 
ところで、「前節勝った勢い」や、「神戸には対戦成績で4連勝中で高相性」など、大部分のメディアは、読者受けしそうなフレーズを用いて、今節の展開を語る。

 この時期の試合の気温としては、珍しく20℃前後と、サッカーをする側にも観る側にも優しい気候の中で迎えた、ホーム・清水戦。敗戦すれば、数字の上では降格圏へ真っ逆さまに転落もありえる、まさに崖っぷちの状況の中、"天敵" 清水をホームに迎えての一戦となった。

 
この日は、期待の新加入・野沢が初先発。1トップの武藤をどれだけ活かせるかが、攻撃のカギとなる事は、誰の目にも明らかだった。また守備では、DF上本が1年9ヶ月ぶりに先発。ディフェンシブ・スピードスターの双肩に、清水の攻撃を止める大役の期待が懸かった。

 仙台が、どうしても勝てない相手の中の一つ、清水エスパルス。昨年の天皇杯でこそ、公式戦での初勝利を挙げたものの、リーグ戦では未だに未勝利が続く。中断期間明けの5試合で未だ1勝も挙げられていない仙台にとって、乗り越えなければならない"壁"としては、あまりにも高い。

 
しかも今節は、前節で赤嶺が負傷し、今節の出場が厳しい事に加えて、前々節で負傷したウイルソンも、未だ練習では別メニュー中心。ただ、こちらは、もしかしたらベンチスタートか、或いは強行先発出場はあるかもしれないが、いずれにせよ、仮に、赤嶺やウイルソンが万全の状態でこの一戦に臨めたとしても、それだけで勝てる相手でないのは確かだ。

 台風の影響を心配しつつも、雨が降ったり止んだりを繰り返す程度で済んだ今節。仙台は、順位で直下の甲府と、アウェイで対戦。3試合連続で複数失点中とあって、さすがに守備の改善がみられた。だが攻撃面では、やはり"アウェイでの得点力不足"が響いて無得点。スコアレスで試合を終え、勝ち点1の積み上げに留まった。

 ようやく、ハモン・ロペスのJ登録が完了し、今節から出場可能に。世界情勢の煽りをこんな形で受ける事になるとは、本人もクラブも、そしてサポーターも、夢にも思わなかったに違いない。だが、それもようやくクリアに。ハモン様の、実力や如何に。

 中断明け後のこの4試合において、リードを許したのは、FC東京戦のみ。それ以外の3試合では、一度も相手にリードを許していない。それなのに、4試合を消化してなお、未だに1勝も出来ていない。

 
原因は、名古屋戦、そしてこの大宮戦で見せた「リードを守れない」守備陣にある。先制しながら追いつかれ、また得点を挙げても、更にまた失点し。それも、得点から概ね10分程度で失点するパターンが続く。

 大宮から、「カムさん」こと村上和弘選手の期限付き移籍加入がリリースされた。

2006年に仙台を退団して以来、8年ぶりの仙台復帰。また、完全移籍で出て行った選手が、現役で仙台に再加入するのはこれが初めて。(以前、中原が1年だけ新潟に移籍したが、あの時は期限付き移籍であり、"本籍"は仙台のままだった)