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2011年5月アーカイブ

久しぶりに、感じるストレスの少ない好ゲームを観た、という感想を持った試合だった。

勝利を逃した点については不満が無い訳ではないのだが、試合序盤の横浜FMの猛攻を耐え凌ぎ、赤嶺による先制点が産まれた事や、この試合をトータルで見て、今季絶好調の横浜FM攻撃陣に受けた失点を1に抑え込み、貴重な勝ち点1を獲得した事など、決して悲観する必要の無い、前向きになれる内容と結果だったと言える。正直、もう少しコテンパンにやられる可能性も考えなくもなかっただけに、予想外の好ゲームには、若干の驚きを隠せなかった。

前節終了後の各局のスポーツニュースや、スポーツ紙面上で飛び交ったフレーズ。

「J1仙台、リーグ唯一の無敗チームに」

第12節の終了時点で、仙台が今だ負け無しで推移した結果を受けてのものだが、正直、胸を張って「無敗チーム」と言えるほどの強さは、仙台にはまだ無い。あくまでも、7試合を消化した時点での数字的な状況に過ぎず、決して驕る事なく、粛々とリーグ戦を戦い抜くのみ、である。

心配された雨模様も、試合1時間前には上がり始め、昨年ほどの酷さは感じられなかった。ピッチ上も雨の影響はほとんど感じられず、気候の涼しさも手伝って、プレーに集中できる環境の中、今季初のみちのくダービーは催行された。

この一戦は、全国的にみれば「震災後の東北地方のチーム同士のダービーマッチ」という色合いだったと思うが、サポーターをも含めた当事者同士は、あまりそういった部分は色濃く感じず、むしろ「いつもの殺伐としたダービーマッチの雰囲気」を存分に楽しめたかと思われた。

両者、中7日で臨む、今季初のみちのくダービー。お互いに疲労は癒え、フレッシュな状態で対峙する事になるだろう。もとより、豊富な運動量が好調の礎でもある仙台にとって、この試合間隔は大変に有り難いものとなった。

震災を経てのリーグ戦再開後、早くも6試合目となる。3連勝の後に2分けを喫し「自らのミスで5連勝を逃した」と言っても過言はない、3位・仙台と、首位の柏をホームで下した以外は、得点どころか持ち前の堅守にすら綻びの見える、降格圏の17位に沈む山形。

「サッカーは、2-0からが一番怖い」。
そう言われて久しいが、今節は、嫌と言うほど「それ」を味わった試合だった。

2-0で前半を折り返してのハーフタイム。一緒に観戦していた身内(オフクロ)が言った。「この前の福岡って、ここからホームのマリノスに3失点の逆転を許しているんだよねぇ」。

GWの連戦も終わり、久しぶりに1週の間が空いたJリーグ。ミッドウィークで開催されたACLの結果を見て、日本からの参戦4チーム全てが決勝トーナメントへ進出した事を知り、いつか"あの舞台"へ、仙台が登壇して欲しいものだと改めて想った次第。

さて今週の対戦だが、ジュビロ磐田をホームに迎える。昨季はリーグ戦で2勝と好相性を見せている仙台だが、磐田は前節に、2年連続J1得点王のFW前田が2ゴールを挙げ、「天敵・山形」を4得点で粉砕。順位も6位に付け、今節の対戦結果によっては、磐田に順位で逆転される可能性もある事から、鼻息を荒くして来仙する事だろう。

掲示された後半ロスタイムの時間、5分-。

誰しもが、「絶対、そんなに長い訳ないだろう!?」と思ったはず。筆者も、せいぜい3分程度と考えていたため、5分の掲示には些かの驚きと共に、若干の嫌な予感がした。

4/20 away ACL 韓国・全北現代戦。
4/24 away J1  山形戦。
4/29 home J1  新潟戦。
5/03 away ACL インドネシア・アレマ戦。
5/07 home J1  仙台戦。
5/10 home ACL 中国・山東魯能戦。
5/15 away J1  浦和戦。
5/20 home J1  川崎戦。

戦前のプレビューで、絶対に油断できない相手という事を書かせて頂いたが、やはり油断ならない相手だった-。

アビスパ福岡。その名を聞くだけで、仙台にとって「苦手感の漂う難敵」という印象を受ける。過去の戦績を見る限り、ホーム戦での相性が良いとは言え、毎回毎回、対戦する前はどうしても「反射的に身構え」してしまう相手である。

ましてや、前節までの仙台の状況、そして同じく前節までの福岡の状況を合わせて考えると、仙台の苦戦は想像に難くなかった。そしてそれは、試合開始序盤の展開を観て、確信へと変わっていった。

リーグ再開戦のアウェイ川崎戦、そしてホーム開幕の浦和戦。ともに、震災後の被災地チームとして、全国から大きな注目を集め、そしてその"期待値"通りに、2連勝という結果を出す事に成功した仙台。もちろん、この連勝の礎となったものは、地域復興への願いからくる、選手・コーチ陣、関係各社、そしてサポーターと被災地・被災者全ての「想いの強さ」だ。

ただ、この2戦を消化し終えた事で、少々過熱気味と感じていたメディアの報道も、今後は徐々に沈静化していくであろう。事実、今節の福岡戦に向けての練習の様子を取材に来るメディアの数は、激減している様子。重圧の掛かる2戦を何とか良い結果で終えた事で、今後もある程度はメディアの注目を集める事にはあると思うが、この2戦ほどヒートアップするような状況には成らないだろう。