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2009年9月アーカイブ

その瞬間、明らかに渡辺広大は、"飛んでいた"-。

前半も、時計がもう少しで45分を指そうかという頃、仙台は敵陣アタッキングサードのほぼ中央で、梁がFKのチャンスを得ていた。これを中に放り込んで後方に弾かれ、こぼれたボールが平瀬のところへ。胸トラップでボールを落とし、落ちた瞬間のボールを右足で振り抜く。このボールは辛くも熊本GKに片手一本で弾かれるが。

サブジェクトで、いきなり手厳しい意見を書かせて頂いたが、それだけ、今節の先発が濃厚と報じられているFW中島選手の「居所」がなくなりつつあるという事である。
甲府からみれば、3位・湘南に勝ち点2差を付けられてしまい、昇格圏争いから一歩後退。
そして仙台からみれば、C大阪の追撃は成らずとも、4位・甲府を昇格圏争いから叩き落とし、自らの昇格圏の座をより一層確固なものとした一戦となった。

この試合だけは、同日行われる他会場の結果を気にしてはいられない。

それだけ、今節の注目度ナンバー・ワンのカードと言えるだろう。4位・ヴァンフォーレ甲府 vs 2位・ベガルタ仙台。甲府はこの試合に敗れると、2位・仙台に勝ち点差を7差とされ、事実上「3位の可能性」しか残らなくなってしまうのだ。

前節・アウェイ福岡戦での敗戦のショックを引き摺らず、ホームで見事に2-0完勝を達成した仙台。FWソアレスの圧巻・1試合2得点は、今季3回目の快挙だった。
前節、「首位チーム」として初めて臨んだ福岡戦であったが、終わってみれば、今季初の「2得点差の敗退」と「首位陥落」という2つの辛酸を同時に舐めさせられ、第二クールの対戦の雪辱を果たせなかった仙台。
この敗戦を受けても、正直、あまり悔しい想いはしなかった。むしろ、試合をテレビ観戦していて、「またか」という、呆れに近い想いのほうを、強く感じていた。

突然だが、「北の狼・南の虎」というアニメーション映画をご存じだろうか?

野球漫画の巨匠・水島新司氏の「野球狂の詩」のエピソードの一つが映画化されたもので、北の狼・火浦健(北海道の高校卒)と、南の虎・王島大介(熊本の高校卒)の対決を描いた作品である。

勝ち点76。

この数字は、38節の終了時点において、獲得したチームが首位にいる事を現している。
そしてその数字を達成したのは、他でもない、我らがベガルタ仙台なのだ。

西が丘での「オドロキの快勝劇」から中3日。残り14試合となり、昇格争いも佳境に入りつつあるJ2リーグだが、昇格争いのライバル4チーム(申し訳ないが5位の水戸はこの際、話から外させて頂いて)中、もっとも勢いの出ている仙台が、有利な立場にあると言える。
試合前のスタメン発表を確認したとき、我の目を疑った。東京V側に、大黒・柴崎・レアンドロ・土肥の名前が無かったからだ。仙台も菅井・永井を欠く布陣だったとはいえ、東京Vがこれだけ「飛車角落ち」で仙台に対峙してくるなど、予想だに出来なかった。
前節のホーム岐阜戦は、またも中原が劇的な後半ロスタイム弾で締め、8月を4勝1分1敗の好成績で終えた仙台。だが、先制点を相手に譲ってしまう悪癖が改善されている訳ではなく、毎試合のように、苦しい展開を強いられている事に違いはない。